ハーバードスタディーツアー2012 体験記:1. はじめに

そもそも「社会起業」という言葉に馴染みのない方も多いと思うので、その紹介をします。

社会起業とは

簡単に言えば、「社会問題を解決する」ことを「継続的」に行うために、 「事業」として社会問題の解決を行うことです。

詳しくは田辺さんのスライドを見てください

かなりエキサイティングな内容です!

ハーバード社会起業大会スタディツアーとは

ワールドスタディが企画運営するツアーで、 - 「ハーバード社会起業大会」への参加 - 米国の社会起業家訪問 (Teach for Americaなど数カ所) を通して、「社会を良くする方法」についての基礎知識から最新事情までを学習できるツアーです。

リンク

詳しい内容は以下のリンクを参照してください:

ワールドスタディについて

  • 社会がどう変わっていくのか、先を見据える旅です。新しい社会の形を作る担い手の一つが社会起業家と考えられていますが、単に官と民の間のニッチ産業ではありません。世界の潮流を大きく捉えなければ、社会起業家という新しい存在は解けません。
  • 人生を変えるきっかけになる旅です。2011年のハーバードスタディツアー後、そのまま東北の被災地へボランティアに飛び込んだ方もいれば、大学院留学へイギリスやアメリカへ旅立った方もいます。
  • でも、初心者の方も世界と関われるよう、事前の勉強会や現地でのフォロー、帰国後のアフターフォローと、楽しい企画ももりだくさんです! ツアー参加費として投資した効果は世界、そして新しい仲間との出会いであり、長年にわたって続きます。

スタディーツアー:2つの大きな目的

ここからは、私独自の視点で、このツアーの魅力について紹介します。

ハーバード社会起業大会に参加する

一流のチェンジ・メーカーによる基調講演

多数の社会起業家を支えてきたアショカの創設者であるビル・ドレイトンなど、 一流の社会起業家によるスピーチを生で聴くことができます。 英語のリスニング能力があればベターですが、 英語が苦手でもキーワードがつかめれば、雰囲気を十分味わえると思います!

多彩なテーマ別セッション

各テーマごとにセッションが設けられます。 毎年テーマ数が増加する傾向にあり、 今年は以下のようなテーマがありました(実際はもっと細分化されています)。

ファイナンス、食料、エネルギー、政府、教育、国際協力、テクノロジー、物資供給、ヘルスケア、アートと文化
英語が分からなくても、参加することに意義がある

事前勉強会で、重要な基礎知識は予習できるので、 セッション本番でも単語レベルなら聞き取れると思います。 また、一部のセッションでは、ボランティアで通訳が付く場合もあります。

しかし重要なのは、「社会を変える」志を持った人が一同に集まる、熱い雰囲気を感じられることです。 この雰囲気を味わうだけでも、ツアーに参加する意義はあります。

アメリカの第一線で活躍する社会起業家・NPOを訪ねる

社会起業家の話を聞き、実際に議論できる!

社会起業家として成功した方々を訪ね、そのサクセスストーリーや どういう考えの元で事業を作り展開していったのかについて話を聞き、議論を交えることができます。

2012年度はTeach for America、DMM アセット・マネジメント、B Lab、ユーラシアグループを訪問しました (これらについては、後ほど詳しく紹介します)。 また、2012年度は通訳の方がついたため、英語に自信が無くても問題なくコミュニケーションが取れました。

例:Teach for America

例えば、Teach for America (TFA) は、 教育格差の大きい米国にて貧困層の教育の質を向上させるために、 超エリート大学の卒業生を教師として送り出す活動を行っているNPOです。 今や、Googleと並んで、米国就職先人気ランキングの文系部門において1位を獲得するなど、 非常に注目を集めています。

参考記事:全米就職ランキング1位のNPO、日本でも展開へ — オルタナ: 「志」のソーシャル・ビジネス・マガジン「オルタナ」

幸運にも2012年度は、実際にTFAの授業が行われている学校を訪問することができました。 子どもたちの真剣な眼差しが今でも深く印象に残っています。

実は重要!裏目的

公式サイトでは強調されていませんが、実際にはツアーの行程以外のおまけ的な部分が、 このツアーの醍醐味だと個人的に感じています。以下に2つ紹介します。

日本で社会を変えたい人たちと熱く語れる

アメリカに来てまで、社会起業について学ぶ強い意思をお持ちのツアー参加者の皆様。 その方々は「社会を変えたい!」という共通の志でつながっており、熱い話ができます。

田辺さん・雨宮さん

ツアー主催者の田辺さん・雨宮さん。お二人とも日本を代表する社会起業家であり、 密接に語り合えるのは大変貴重な経験です・・・社会起業に関する真面目な話から恋愛相談まで(笑)

企業でCSR(企業の社会的責任)に取り組む社会人の方

会社でのCSRの取り組みや、会社の事業についての興味深いお話を聞けました。 経験が豊富で話の面白い方が多い印象です。 また、ある方はファイナンスに詳しく、金融に関する基礎知識の説明が分かりやすく参考になりました。

意識の高い学生

教育、国際協力、地域活性化、農業、障害者福祉など、問題意識を持ち実際に動いている学生が多く集まりました。 各々しっかりと自分の考えを持っていて、非常に優秀な印象を受けました。

アメリカで活躍する方々とも交流できるかも!?

打ち上げなどの場で、現地で活動している方・大学院で学ばれている方と交流できる場合もあります。 僕はMITの日本人学生の方と会うことができ、 (詳細は伏せますが)個人的に大きなきっかけをつかむことができました。

ツアー終了後の交流

「スタディーツアーは終わってからが長い」と、田辺さんや経験者の方はよく仰います。 ツアーではFacebookにグループを作って交流することが推奨されているため、 帰国後もイベントや個人間の交流など、ことあるごとに再会する場面が多くあります (そして、それらはFacebookを通じて、頻繁に報告されます)。

また、参加者の中で、人生を変える決断をされる方もいらっしゃいます。 帰国後からが、自分にとっての始まりだと、個人的には思っています。

まとめ

このスタディーツアーは、 ハーバード社会起業大会に参加して熱い雰囲気を味わったり、一流の社会起業家と直接話を聞いて議論できたりと、 社会起業の基礎から最先端までを勉強するには最適のツアーです。 それだけでなく、「社会を変えたい!」という志を持つ仲間と熱く語り合えて、 終わってからも交流が続く、心に残るツアーです。

2013年版のスタディーツアーの応募も、もうすぐ(昨年は12月頃)発表になると思います。 もし興味があれば、ぜひツアー内容をチェックしてみてください!

訂正

12.10.18

誤植・不適切な表現があったので訂正致しました。申し訳ございませんでした。

  • (誤) ハーバード起業大会スタディツアー → (正) ハーバード社会起業大会スタディツアー
    • 類似の表現(ハーバード起業大会など)も「ハーバード社会起業大会」に修正致しました
  • (誤) アショカ財団 → (正) アショカ