ハーバード社会起業大会スタディーツアー2012 体験記: 3.1 ハーバード社会起業大会1日目
はじめに
ブログの更新が遅くなり、申し訳ございません。 ハーバード社会起業大会の2013年版ツアーの申込がスタートしましたが、既に早割が終わってしまいました。 しかし、まだツアー2013の参加者は募集中ですので、まずはそのご案内をさせていただきます。
スタディツアー2013について
YouTube動画
まずは、こちらの動画をご覧ください。ワクワクするような内容です。
YouTube: 2013年版) ハーバード社会起業大会とニューヨークの社会起業家の紹介映像
ハーバード社会起業大会の紹介
以下、ツアー主催者の田辺 大さんのFacebookより引用します。
なお、公式HPは以下です:
http://www.his-j.com/kanto/corp/group/inspection/harvard_study/
今回は例年より1ヶ月ほど大会開催が早まりましたが、順調にお申込を頂戴し、この場をお借りし、誠にありがとうございます。「社会起業という言葉を知らない初心者ですが」とのお声も歓迎で、ビギナーの方々にお応えしたいとスタディツアーを開始しています。 2010年参加の方がリピート参加下さってもいます。毎回、リピート参加の方の存在は本当に私たちの励みになります。ありがとうございます。 価格を今年も思い切りました。旅行業界の常識を今年も破り、アメリカ東海岸で信じられないほど価格破壊した料金となりました。学割も設定し、ぜひ学生の方々に世界を見ていただけたらと私たちは願っています。 ハーバード社会起業大会のHPが12/7(金)にリニューアルされました。 http://socialenterpriseconference.org/ 基調講演は、アキュメンファンド創設者のジャクリーン・ノボグラッツさん、Change.org創設者のベン・ラトレーさんという、世界でも注目を集めている方々です。 2013年の大会HPデザインは例年より一層洗練されています。中でも目を引きますのは、「ハーバードにおける社会起業」という記事です。ビジネススクール、ケネディスクール、卒業生ネットワーク等が紹介されています。 http://socialenterpriseconference.org/about/social-enterprise-at-harvard/ 【ツアー紹介の記事】 「CSR(企業の社会的責任)から、CSV(シェアード・バリュー創造, Creating Shared Value)へ」 http://www.ow.ly/fQhPu ハーバード社会起業大会スタディツアー2013のニューヨーク滞在 (2013/2/11-2/12) で訪問を予定している団体です。米フォーブス誌「世界の社会起業家30人」に入選した団体も相次ぎ、今回も世界最高峰の訪問先が揃いました。 (映像や写真あり) http://www.ow.ly/fQ76C 【過去参加者の声】 ■「世界で最も社会への影響力を持った層がどんなことを考えているのか知りたいと思っている時にツアーの存在を知り、すぐに参加を決めました。」 ■「『社会を変える』志を持った人が一同に集まる、熱い雰囲気を感じられることです。この雰囲気を味わうだけでも、ツアーに参加する意義はあります。」 ■「スタディツアーで人間変わりました。10階からパソコン落とされてリセットされた感じ。若い人の知り合いがすごく増えました。」 お申込は、H.I.S.の専用ホームページ へお願いします。週末や夜間もHPにて受付しています! http://www.his-j.com/kanto/corp/group/inspection/harvard_study/
注意
ハーバード社会起業大会のチケットは、スタディツアーの申込と別売りになっています。 例年、早期の売り切れが発生しており、本大会チケットが取れない場合が十分考えられます。
本大会チケットを注文してから、ツアーに申し込むことをオススメします!
今回の記事について
今回はハーバード社会起業大会2012(前回)の1日目について紹介します。 このときは、申込タイミングの都合で、私含め数名は1日目はチケットが取れませんでした(2日目は全員参加できました)。
そのため、大会1日目については他の方の大会報告より紹介します。 また、チケットが取れなかった組(私含めて)は、別行動でボストン観光に行ってきたので、最後にその様子を紹介します。
ハーバード社会起業大会2012 1日目
「デザイン思考」ワークショップ
この日は、「デザイン思考」を体験するワークショップが開かれました。
デザイン思考とは
デザイン思考とは、ビジネスや社会に変革をもたらすイノベーションを達成する手法・考え方の1つです。 基本的には、以下のような「試行錯誤型アプローチ」をとります。
- まずはプロトタイプを作る
- それを用いたテストマーケティングなどを通じて実地の試験・検証を行う
- そこで問題を発見、解決するというサイクルを回しながら、完成に近付けていく
ソーシャル・イノベーションにおいて、デザイン思考が重要視されつつある
「Out of Poverty:世界一大きな問題のシンプルな解き方」という、 貧困問題を解決するための方法について書かれた本があります。
現実的な解を導く12のステップ
この本の中に、「現実的な解を導く12のステップ」が紹介されています。
- 問題が起きている場所に行く
- 問題を抱えている人と話し、その話に耳を傾ける
- 個々に特有の状況について、可能な限りすべてを知る
- 大きく考え、大きく行動する
- 子供のように考える
- 当たり前のことを見て、実行する
- すでに誰かがやっているかどうか調べる(やっていればやる必要はない)
- 目に見えて良い影響をもたらし、大規模化できる手法を探す
- 具体的な費用と価格目標を決める
- 現実的な三ヵ年計画に基づいて実行する
- 顧客から学び続ける
- 他の人の考えに流されず、前向きでいる 「デザイン思考」という言葉は明示されていませんが、 特に初期ステップの「共感」や「観察」を重視している点で、かなり類似しています。
大会でのワークショップ
ハーバード社会起業大会では、ワークショップが行われました。 ツアー参加者もワークショップに参加しました。
参考資料
デザイン思考をもっと学びたい方には無料の電子書籍もあるので、興味のある方はぜひご一読下さい。
Dear World
Dear Worldとは、腕や手にメッセージを書き、写真に撮って世界へ届ける企画です。 参加者のうち数名が参加しました。
ちなみに、そのうち1人が、なんと2日目に行われる発表を行うことになりました。(もちろん英語!)
こうしたサプライズもツアーの醍醐味ですね。
ギャラリー
以下のギャラリーで、色々な方の写真が見られます。
基調講演
- Young Entrepreneurs at the Harvard Social Enterprise Conference: Defending the American Dream, Changing the World
- (和訳)ハーバード社会起業大会における若手起業家たち:アメリカンドリームを支持し、世界を変える
1日目は、上記の標題による基調講演があったそうです。 Elly Brown氏(翻訳・注釈:田辺 大)による文字起こし版があるので、一部抜粋してご紹介します。
シリアル起業家 (serial entrepreneur)
新しい事業アイデアを生んだ後、他者へ事業展開は任せ、次の新しいアイデアを生む人。
破壊的なアイデアとは何か?
フェヌグリーン:ドライヤーシート
この商品は野菜や果物の鮮度を2倍から4倍長持ちさせる。 食糧廃棄にともなう無駄を大幅に削減させる。「フレッシュペーパー」だ。
月4ドルから7ドルで、消費者は冷蔵庫の格納庫に「フレッシュペーパー」を装着するだけで、 食品の損傷をめざましく回避する事が出来る。
フィード・プロジェクツ:世界を食べさせる、1度に1つのバッグ
フィードのバッグは、無駄を削減し、世界の飢餓への闘いに関わりたい消費者に取って、定量的で単純な方法だ。 それぞれのバッグは、再生された素材で生産され、バッグの購入により、 どれほどの子どもたちが1年間食べられるか、明確に数値で説明されている。
テンインスリー:資金調達のクラウドソーシング・プラットフォーム
テレビの「貧困特集」を終わらせる努力として、資金調達をする非営利団体は画像的なイメージを使用するが、コンロイは、個々人のネットワークがもつ力を活用し、特定の理想の実現を目指す個人のためのプラットフォームを制作した。 このプラットフォームを使用すれば、だれもが学校を3時間で建設する資金を得られる。
これらのベンチャーに連綿と共通するのは、アイデアの背景にあるシンプルさと人間中心のコンセプトである。
ローレン・ブッシュ「情熱的な反応があります。人々は、他の人のために役立ちたい、いい事をしたいと思っています。ですが、社会に還元するのに、シンプルで定量的な方法がここにあります。」
HISさんによるボストン観光ツアー
残念ながら私を含め一部のメンバーは社会起業大会の1日目に参加できませんでしたが、 代わりに我々はボストン観光ツアーを楽しみました。(HISさん、ありがとうございました!)
ボストンは1630年にイギリスからのピューリタン(清教徒)によって築かれた、アメリカの中でも歴史の長い街です。 そのため、古くて歴史的にも重要な建物が街のあちこちに点在しており、大変雰囲気のよい場所でした。
フェンウェイ・パーク
ボストン・レッドソックスの本拠地です。シーズンオフのため中には入れませんでした。 お土産屋さんに立ち寄り、メンバーの中には娘さんにお土産を買った人もいたようです。
ビーコンヒル
ボストンの歴史を見た目で味わえる場所でした。 ここ一帯ができた当時は馬による交通が主流で、その名残が今でも残っているそうです。
ボストン美術館
古代の装飾品から現代美術まで、アフリカから東洋まで幅広く展示している美術館です。 日本にゆかりの深い美術館でもあり、仏教美術や日本の美術品も展示されていました。
たっぷり美術を堪能できて、満足できました。
MITミュージアム
歴史的な計算機・機器や、表情を作るロボット、走るロボットなど、貴重な展示物が見られる博物館です。 1階はMITの学生ボランティアによる科学実験が行われており、 階段にはステップを踏むと音が出るメディアアートもありました。
LISPマシン
これは人工知能の研究などのために1970年代から開発された、LISPマシンという計算機の初期モデルです。 LISPという言語をハードウェアで実行するためのマシンで、現代から見てもかなり先験的な実装がされています。
計算機の歴史上で非常に重要なものであり、コンピュータが好きな僕はこれが見られてすごく感動しました(笑)
個人的な話
すごく個人的な話で恐縮ですが、ボストン観光の中で一番来て良かったと思いました。
技術系大学の聖地であるMITに足を踏み入れられたのが嬉しかったのと、 自分はやっぱり技術が好きなんだ、ということを実感しました。 後ほど書く予定ですが、帰国後にふり返ってみると、この訪問は今後の進路決めに大きな影響を与えたように思えます。
おわりに
今回は、ハーバード社会起業大会2012・1日目のご紹介と、ボストン観光ツアーの様子をお送りしました。
何度も申し上げますが、2013年のツアーに参加希望の方は必ず大会チケットを先に確保することを強くおすすめします。
しかしながら、万が一チケットが両日とも確保出来なくても、おそらく2012年ツアーと同様にHISさんによるツアーは組んでもらえると思われます。 ボストン観光も十分楽しいものなので損はしないと思いますし、大会に参加できた人の話を聞くのも良かったです。
次回は、ハーバード社会起業大会2012の2日目の様子を書く予定です。