私はミスタードーナツが好きだ。小学生のときから今まで。
いま思うと、比較的幸せな家庭だったのかもしれない。不穏なこと、凄惨なこともあったけど。
親が毎週のようにミスドに連れていってくれた。飲茶とドーナツを家族でたくさん食べた。なぜなら景品の食器がもらえるからだ。
当時はスクラッチを削ることで、ランダムな点数を稼ぐことができた。最終日に点数が余れば、その辺のおばちゃんに「これ余りなんですけど……」とスクラッチカードを母がおすそ分けすることもあった。
食器はとても素敵だった。普段遣いしやすい、さりげないデザインが特徴的だ。
今も私はミスドのコップとお皿を持っている。ささやかな宝物だ。