ハーバード社会起業大会スタディーツアー2012 体験記:2. 国内勉強会編
ハーバードスタディーツアーの特徴は、出発前・帰国後の勉強会によって、 ツアーでの学習内容に対する理解を深めることができる点です。 この記事では、国内勉強会の流れと、学習した内容を簡単に報告します。
国内勉強会
国内勉強会は、新宿会場(HIS本社)と、 京都会場(同志社大学 京町家キャンパス「江湖館(こうこかん)」)で行われました。 自己紹介の後、ハーバード社会起業大会の概要とプログラムの説明があり、最後にNYの訪問先について学びました。 勉強会の後は懇親会に参加し、有意義な時間を過ごしました。
京都会場に参加しました
私は京都会場に参加しました。
町屋を改装した、キャンパスとは思えない落ち着いた雰囲気の建物で、畳の上で勉強会という風流な体験をしました。 (写真を取り忘れたのが惜しいです!(笑))
まずは自己紹介
最初は自己紹介タイム。ツアー参加者の方々以外にも、勉強会のみの参加者が数名いらっしゃいました。 学生が数名。他の方は様々な職業・バックグラウンドをお持ちで、印象に残っています。 中には、過去に参加されたにもかかわらず、2回目の参加という意欲的な方もおりました。
ハーバード社会起業大会について
最初のセッションでは、ハーバード社会起業大会での重要キーワードを学ぶとともに、 おすすめのイベント・分科会を紹介してもらいました。
重要キーワード
ハーバード社会起業大会で内容を理解するにあたり、社会起業関係のキーワード(英語)を知っておくと役に立ちます。 ここでは当日の資料を元に、重要キーワードを挙げます(メモしていた分のみ、簡単に説明します)。
- 社会起業家(Social Entrepreneur)とは?
- なぜハーバード大学が社会起業(Social Enterprise)に取り組むのか?
- Social Innovationとは?
- 社会起業の解決のための新しい工夫
- Social Impactとは?
- CSRとは?
- 企業の社会的責任 (Corporate Social Responsibility)
- Fund(基金)とは? Foundation(財団)とは?
- Venture Philanthropyとは?
- ベンチャー企業流のやりかたで(スピード、汗をかく)、社会貢献をする(philanthropy)
- BOPとは?
- Bottom of the Pyramid: 所得が最も低い層
おすすめイベント・分科会
こちらもメモしている分のみですが、紹介されていたおすすめイベント・分科会を少しだけ挙げます。
- 朝食&受付
- パネリストも参加するため、交流のチャンス!
- インドのMFI(マイクロファイナンス)危機
- マイクロファイナンスとは貧困者向けの小口の金融のこと。貧困者にお金を貸すことで、彼らの自立をサポートし、貧困の削減という社会的課題の解決に貢献します。
- ピッチ・フォー・チェンジ:社会起業ビジネスプランコンテスト
- 中国における社会起業
- 中国だけのために分科会が存在すること自体が、社会起業において重要な意味を持っている!
ニューヨークの訪問先について
スタディーツアーでは、実際にアメリカで活躍している社会起業家を訪問できることも魅力の1つです。 国内勉強会では、これから訪問する4つの会社・団体について学びました。
ティーチ・フォー・アメリカ (TFA)
教育格差が問題となっているアメリカにおいて、 貧困地域の子どもたちに難関大学出身の教員による優れた教育を提供するNPO。 TFAの経験者が各界に転身し、社会全体にインパクトを与えていることも重要な点です。
代表のウェンディ・コップによる著書「いつか、すべての子供たちに」は、 TFAの設立準備から発展までの奮闘記となっています。 初期のウェンディは自らのビジョンに向かって泥臭い資金集めに追われており、 個人的には「成功しているように見えるTFAも、綺麗事だけで済まなかったんだな・・・」と勉強になりました。 社会起業に興味のある方は、ぜひご一読を。
DMM アセット・マネジメント
資産管理業務と投資銀行業務を通じて社会的な投資を行っている会社。 途上国におけるマイクロファイナンス事業が資本市場にアクセスできるように支援し、当分野の草分けとなりました。
B Lab
様々な企業を社会貢献の視点で評価し、「Bコーポレーション(便益ある起業)」の認定を行うベンチャー企業。 Bコーポレーションの基準は、以下のものなどがあります。
ユーラシアグループ
世界における先駆的なグローバル政治リスクの調査コンサルティング会社。 顧客は政府機関や多国籍企業であり、 世界情勢による政治リスクを調査し、分析結果や情報の提供およびコンサルティングを行っています。
懇親会
懇親会は「士心」というお店に行きました。
まず、店主が非常に志高い人でした。 「平和な世の中にするためにはどうすればよいか?」という問いについて考え、旅した末に、 「武士道の究極の理想は平和である」という哲学の下、 食を通じて世界平和を追及するためにこのお店をオープンしたそうです。
懇親会自体も、どの方も自分なりの考えを持って参加されていて、大変興味深い話をたくさん聞けました。 ここに来るだけでも、スタディーツアーに参加した意義が既にあったように思います。
スタディーツアーへ向けて準備万端!
以上のような勉強会を通じて、知識的にも意識的にもツアーへの準備が整ったように思います。 おそらく来年度もツアー参加者以外も参加可になると思うので、機会があればぜひ参加してみて下さい!