私論:「添加物」という呪いの言葉
思うに、「添加物」という言葉が、少なくとも日本では、言霊としての「呪いの言葉」「忌み言葉」として扱われている気がします。その仮説について議論してみます。
まず、少なくない添加物には有害性があり、行政としても科学的事実に応じて規制してきました。 それに加えて、まだ有害性が確定していない添加物も多くあるので、その毒性を疑うことは大切です。
厚生労働省は、食品添加物の安全性について食品安全委員会による評価を受け、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格や、使用の基準を定めたうえで、使用を認めています。
また、使用が認められた食品添加物についても、国民一人当たりの摂取量を調査するなど、安全の確保に努めています。
ゆえに、一般論として「できるだけ自然の農産物に近いものを食べる」という指針自体は、個人的に正しいと思います。 (個人的には、"正しい"オーガニックには賛成で、真面目な農家や生産者の方々は応援したいと思っています。)
しかし、「メリットの方が大きい」添加物も確かにあって、むしろ世に出回っている食品添加物はこちらが多数だと思います。 それなしには、食料のスーパーやコンビニへの全国流通は実現しません。*1
Q3 食品添加物はどんな目的で使われるものなのですか?
A 食品添加物は、次のような目的で使われるものです。
- 食品を製造または加工するときに必要なもの
- 食品を形作ったり、独特の食感を持たせるために必要なもの
- 食品の色に関するもの(色をとったり、着けたりするもの)
- 食品の味に関するもの(うま味、甘味、酸味等の味を付けるもの)
- 食品の栄養成分を補うために必要なもの
- 食品の品質を保つために必要なもの
つまり、
「全ての食品添加物は、体に悪い毒(いわゆる「毒素」)である」
この信念は、極端すぎるゼロイチ思考に陥っていると思います。*2
それを経て、いまや「添加物」という言葉すら「呪いの言葉」、つまり宗教的概念になっている、というのが僕の個人的な考えです。 他に、「毒素」や、「放射能」という言葉や概念も同じです。例えば「除染」は現代版の「祓いの儀式」と解釈できます。
このような宗教的概念を検証したい、というのが僕の長期的な目標です。
これは、今朝のFacebookを見て思いついたことですが、一般に「科学とニセ科学と宗教的信念(スピリチュアリズム)」には、関連性があると個人的に確信しています。
この一般的な話については別の記事に書きますので、よろしければお読みください。
藤原 惟