Wikipedia英語版『ポリティカル・コレクトネス』をGoogle翻訳にかけてみた
米大統領選におけるトランプ氏勝利に関して、ポリティカル・コレクトネス(いわゆるポリコレ)についての議論が過熱しています。
しかし、その議論も「議論」と呼べるような冷静なものは少なく、むしろお互いがお互いに都合良く叩き合っている状況があります。
特に、ポリティカル・コレクトネスの定義が未確認のまま、「ポリコレが云々」と話が進んでいる状況があり、そのような状況は私は危険だと感じています。
ここでは、ポリティカル・コレクトネスについて、まずは日本語における定義を簡単に確認します。
次に、ポリティカル・コレクトネスのアメリカにおける歴史と現状を確認するために、Wikipedia英語版の記述を紹介します。簡単のため、Google翻訳を用いて英語と日本語を併記します。
(注意:Wikipedia英語版の部分が非常に長いです。 お急ぎの方は「現代美術用語辞典によるポリティカル・コレクトネスの定義」のみをご確認ください。)
Wikipedia英語版を取り上げるのは
- 主にアメリカを含む英語圏で執筆されたものであり、アメリカの歴史を踏まえた記述になっている
- 出典に基づく根拠が豊富である
- 日本語版Wikipediaにおける記述は内容が不十分である
という理由からです。
なお、本記事では「ポリティカル・コレクトネスの意義」については触れません。
現代美術用語辞典によるポリティカル・コレクトネスの定義
まずは日本語によるポリティカル・コレクトネスの定義を確認します。インターネット上で参照できる定義のうち、出典が確実かつ署名のある『現代美術用語辞典』の定義を紹介します。
ポリティカル・コレクトネス Political Correctness
特定の言葉や所作によって差別的な意味や誤解が含まれないように、政治的に(politically)適切な(correct)用語の使用を是とする態度のこと。政治的妥当性。「PC」と略される。
西洋的な白人男性中心主義とマイノリティの価値観が衝突し、さまざまな社会的問題が露呈したアメリカで前景化した概念だが、1980年代以後に一般化し、今日では世界各国に広まっている。
日常的に使われている言葉には、現代の人権感覚や歴史認識を基準にすると不適切なニュアンスを持つものが数多く存在しており、PCはそうした言葉の使用によって人種・民族・ジェンダー・職業・宗教・ハンディキャップなどに対する差別意識を助長することを防ぐ立場として一般に理解されている。
大航海時代の名残で長らく「インディアン」と呼ばれていたアメリカの先住民を「ネイティヴ・アメリカン」と表記することや、肌の色による呼称である「ブラック(黒人)」を「アフロ・アメリカン」と改めることなどは、PCに基づく言葉の是正の代表的な事例である。
日本における具体例としては、「保母」という名称が、対象を女性のみに限定するような印象を与えてしまう可能性を考慮して男女の別なく用いることのできる「保育士」に変更されたことなどが挙げられる。また、言葉の用法を正すことだけではなく、社会問題への意識を改めるための政治的なアクティヴィズムに従事する人々の態度を広く指し示すこともある。
一方で、ポリティカル・コレクトネスの追求が逆差別や度の過ぎた自主規制や、表面的な「言葉狩り」のような事態を引き起こすこともある。とりわけ文学・映画・漫画などにおいては、古い作品に含まれている差別的な用語や表現が無闇に害のないものに置き換えられる場合があり、その際に作品が本来有していた内容や文脈が損なわれることが問題視されている。
著者: 高橋聡太
Wikipedia英語版におけるポリティカル・コレクトネス
以下では、英語版Wikipediaにおける記事「Political correctness」をGoogle翻訳し、原語テキストとその日本語訳を併記したものを挙げます。
- 元記事: Political correctness - Wikipedia (Revision at 08:57, 11 November 2016)
- Google翻訳
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- 見た目に関する最小限の編集を加えていますが、文章自体は編集していません。
- 参考文献などの正式名は、元記事を直接ご覧ください。
Wikipedia英語版『Political correctness』Google翻訳
(翻訳文が長いため、Gist上にアップロードしたものを引用する形式にしています。)
Wikipedia: Political correctness (英語版・Google翻訳)
おわりに
この記事では、ポリティカル・コレクトネスの定義を、『現代美術用語辞典』とWikipedia英語版によって確認しました。
私自身もこの概念を理解しているわけではないので、この機会により慎重かつ深く考えたいと思います。
藤原 惟